前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

検証 新ボランティア元年 〜被災地のリアルとボランティアの功罪

検証・新ボランティア元年―被災地のリアルとボランティアの功罪

検証・新ボランティア元年―被災地のリアルとボランティアの功罪

津波被害の報道がほとんどされなかった福島県いわき市を中心に、多くの被災者と支援者たちの声を記録した検証ルポ。
避難所での運営の不具合や解決に至った経緯、被災後はやれる仕事がないからと(仕事を選り好みしているケースもある)保証金をあてにしてパチンコ依存に陥る人、原発立地の町から集団で避難してきた人々と地元住民との微妙な関係、かたや学生サークルのノリでボランティア「活動」する勝手連や、子どもが喜ぶイベントばかり企画する人への苦言も。
伝えられていない功罪の両面を紹介する著者の意見は至極真っ当に思う。当時はナゾだった幾つかの事例がこの本でかなり解けた。


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社会福祉協議会の運営するボラセンの主力で活動してたのは西日本から応援に来たスタッフと、地元の高校生やご婦人たちだったと思う。勿来でも外から来た方が起ち上げた臨時体制だった。朝のマッチングでの待ち時間が長くて、すでに被害の大きい宮城沿岸部などで活動して来た人達には不評だったけど、地元の女子に受付兼応援隊をやってもらったり運営がユニークでもあった。首都圏から強行すれば日帰り可能な場所だったので県外からの応援を可能な限り受け入れたものの、道具の数から現地を往復するマイクロバスの確保など、道路事情に詳しい地元の協力をほとんど得られていない感じは強かった。


全国から来た非番の消防士さんや力自慢の業者さんなど、現地に行けば作業人数と道具がどれだけ必要か分かる人材も多かったけど、朝のマッチングでは事務系ボランディアコーディネーターの采配に従う事が多かった。それはボランティアを怪我させないための増員だったりで、結果的に現場での作業効率が悪いことも多々起きた。今回上手く行ったケースとダメだったケースは、必ず次に活かせる様な検証とノウハウの官民それぞれの共有をやっておく必要がある。社協のボラセンの強みと、個人から勝手連までが活動出来る得意分野は別にあるはず。それらを結ぶよそ者と地元のリーダーが重要だなーと。