前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

「希望のシグナル 〜自殺防止最前線からの提言」

ポレポレ東中野で「希望のシグナル 〜自殺防止最前線からの提言」を視た。
作品公式サイト http://ksignal-cinema.main.jp/
全国での自殺率の多い秋田県の各地地元でそれぞれの思いから自殺防止対策のNPOボランティア活動をしている方達を記録している作品、それぞれのグループがネットワークで繋がり県単位の組織を作っていく過程を写してもいる。


葬儀の席で死因を口に出来ない遺族を多く見てきた住職、会社を倒産させて自らも死に取り憑かれた体験のある元社長、自らも統合失調で学校を退職した元教師、自死遺族の会を作ろうとしている息子を亡くした母親。それぞれの活動の背景はとても重たいが、カメラは時々焦点が合わないシーンも含めて淡々と活動を記録していく。


自身があらゆる理由で疲れはてた時には、死を望まなくても自殺する行為に導かれていく「幻覚」を視ることをこの作品から知った。


上映後のトークショーで監督と、東京都23区内で唯一の自殺防止対策の担当者、足立区こころといのち支援担当課長さんがゲストだった。
ゲストからの質問でこの作品では自殺を悩んでいる当事者たちの映像が撮れず、数少ない同意してもらった方達を編集で選んだりカットする事もできなかった経緯を知る。
また区の広報誌でも数年前までは「自殺」という文字さえ載せるのが、好ましくない表現として避けられていたという。口にする事自体が縁起でもないという「迷信」が自殺問題を公の場で語るのを避けてきたのかと。


「足立区 ゲートキーパー手帳」PDFファイル
http://www.city.adachi.tokyo.jp/001/pdf/d05500209_2.pdf