前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

「リアリティのダンス」上映ホドロフスキー監督来日イベント


70年代から「エル・トポ」「」ホーリーマウンテン」「サンタ・サングレ」強烈な作品群を世に出し、到底長生きするとは思えなかったホドロフスキー監督、まだ健在で新作を作っていたのを知った去年秋のこと。東京国際映画祭で未完の大作映画ドキュメンタリー「DUNE」はチケット即完売で見に行けなかった。それも今年6月まもなく公開。


新橋ヤクルトホール(550人収容)で監督の幼少時代をモチーフに描いた新作「リアリティのダンス」先行上映と監督来日イベント、チケット発売開始から早めに予約しても370番台だったので、長く製作していなかった映画監督にしてはファンの集客力が強いなと。満員の会場で20代位の若い人が意外と多かったのは、ホドロフスキーが休業中もDVD鑑賞などで作品へのファンが積み上がっていたのかなと想像。




公式サイト http://www.uplink.co.jp/dance/
「リアリティのダンス」はチリの片田舎で暮らした監督の少年時代と強権な父親、豊満な母親、町の人々との交流を描いていた。サーカス・教会・フリークスとホドロフスキーのお約束アイテム勢ぞろいで、映像美も健在でチカラが入ってるシーンが結構多い(えらそう)海辺でCGを入れているシーンは、今ならではの技術なので監督の世界観と相性が良い様でいて、そうでもない様で悩むところ。これまでの強烈な寓話の絡まった作品群は匂いも豊かでスクリーンから異臭がする、それがうん十年経っても映像美と幻臭が記憶にこびりついている。


上映後に白いスーツで舞台に出てきた時の会場の拍手には、ものすごい熱量を感じた。ちょっと何かの教祖に近い、ファンの自分でもここに居場所がない感じ。「タロットで質問に答えるという試みは、配給会社の企画で30分前に知った、今日は映画の話をしません。早速タロットに入ってもらいましょう」となんだかやる気スイッチ入ってる。司会の女性が慌てて映画の話を質問。1分位の質問に10分位演説してしまう、禅問答のようでニューサイエンス風な、懐かしいホーリーマウンテンの世界観。会場から質問を受ける企画はお悩み相談なのかブレまくっていたけど、大判のタロットに囲まれた生ホドロフスキーは圧倒的な存在だった。