前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

コタンの口笛

コタンの口笛1959年 成瀬巳喜男監督作品を日本映画専門チャンネルで視た。原作は同名の児童文学、北海道のとある町はずれにあるアイヌコタンから中学校に通う姉と弟を通して語られるドラマ。
ストーリーは和人対アイヌという単なる差別問題ではなく、同じアイヌ社会の中でも酷い時代を生きてきた上の世代と若者達の認識の違いや、当時北海道旅行で流行していた観光化されるアイヌ文化への苛立ちなど、喜怒哀楽では語れない複雑な事情が詰め込まれていた。

コタンの口笛のひとコマ



自分が育った家庭の茶の間にも、鮭をくわえた木彫りの熊と男女のアイヌ像が飾られていた。訊けば両親とも北海道に行ったことが無い。誰から貰ったかも覚えてないらしい。とにかく当時は木彫りのお土産が相当量産されたのは確か。
この映画でひとつ違和感が収まらない処を言わせてもらえば、同族から観光アイヌへの蔑みの視線。現代の暮らしに合わせて工夫しながら伝統文化の継承・民族の存在をアピールする観光村の努力を知りもせず、冷笑する一部の観光者・民族賛美者こそ愚人なり。こんなブログ書きも愚かなり。