前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

首都圏に生きるアイヌ民族

首都圏に生きるアイヌ民族―「対話」の地平から

首都圏に生きるアイヌ民族―「対話」の地平から

北海道行きを考えていた若い文化人類学研究者の著者が、東京のアイヌ料理店にバイトに入り、普通の仕事仲間として首都圏で暮すアイヌの人々と信頼関係をゆっくり作った事が、多くの人々へのインタビューをかなり自然なものにさせているよな気がする(読んでいて安心感があるというというのも妙な)。
世代別、性別でも語れない、人それぞれ人生の体験や仲間との関わりから、自身の『アイヌ民族』を自問自答して来た断片を教わる。
差別を糾弾するよな旧来の『運動』的なものへの違和感や嫌悪感、アイヌ研究者・学者への不信感まで素直に語ってくれてもいる。


アイヌコタンで祖父母の世代が当時の子ども達にアイヌ語や伝統の継承を意図して断っていた事例をここでも知る。土地を奪い禁漁まで強要する、アイヌとして生きていく事をまるごと絶望に追い詰めた多くの事実は、無邪気な愛国教育よりも優先して広く知らしめるべき。←カタイ文だな