前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

気分は馬鹿貴族

東京都写真美術館で開催中の写真展を観に行く。高温多湿・真夏日続きの日曜昼、北から南へ走る列車に乗ると乗客が若い女性ばかりで少し驚く。女性専用車両ではない、これは婦女子一般の行動力の証か。


WORLD PRESS PHOTO 08 世界報道写真展2008
毎年恒例の写真展。長い開催期間なのに毎度混んでる。今回特に痛感した事、小文字表記のキャプションに近づいて読まないと作品の概要がまったく判らない。例えばパキスタンのブット首相バクサツ瞬間の現場など。
戦場・兵士・子ども・老人・騒乱・混乱・狂気・病・動物の屍
老若男女・満員の客の流れに少し抗いながら、今年厳選され受賞した59人が撮った現場写真を視る。


帰宅後しばらくして、気に入った作品をワールドプレスフォトのHPから視返す。Balazs Gardiモノクロで撮ったアフガニスタンの村でのひとコマ。横長パノラマ画面に古い聖書の挿絵のような人影、眼が闇と濃淡に慣れると米軍兵士の背中ごしに林に立つ民族衣装の村人たちが見える。なぜか現時点で本人のHPでは掲載していなかったけど。


会場の一角では、去年秋にビルマで取材中に射殺されたジャーナリスト長井健司氏がここ数年に世界各地の取材先で撮ったビデオが上映されていた。重たい映像を固まったように視る大勢の客。ピューリッツァ賞の被写体になってしまった故人、雑念も多し。




小休止してから2階へ行く。
今森光彦写真展 昆虫4億年の旅
ヨツコブツノゼミの正面写真が入り口で出迎え。まるで多頭の観音にも思え。
夕方近くもあり子供は少なく広い場内をゆったり視れた。
日本から秘境まで昆虫とその風景、どれも強烈な癒やし?メキシコ撮影だったか擬態を越えた異形のムネトゲボウバッタのオスメス、ワニ顔のハゴロモマダガスカルで尾長の蛾、アメリカ17年セミ群の恐怖。
眼の保養・素晴らしい上澄みだけいただく。
確かに日本人に多い虫好きの理由を考えるとオモシロイ。