前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

したまちコメディ映画祭 マルクス講義

第一回したまちコメディ映画祭in台東 マルクスブラザーズ特集
 作品上映&いとうせいこう×ケラリーノ・サンドロヴィッチトークショーを見に行く。場所は上野の国立博物館の平成館。大きくもない会場の客席がほぼ埋まっていたので、マルクスファンとして一安心。


てっきりフィルム上映かと思ったら『 我輩はカモである』『ルームサービス』はDVD版だった(たぶん)。
『我輩〜』はスクリーンとビデオ版で何度も観ているせいもあって、最新版の日本語字幕の直しは結構気になった。

映画祭のプロデューサー いとうせいこうは著書に、30年代のラジオドラマ番組台本を翻訳監修した本『マルクス・ラジオ 』(コマーシャルの台本もムリヤリで面白い)が在り、マルクスへの思い入れが強い。

マルクス・ラジオ

マルクス・ラジオ

ケラリーノ氏のマルクス狂も筋金入りで面白かった。対談でも指摘があったように、独り自宅で冷めた眼で画面を視るのと比べ、会場のスクリーンで初めて視る客の爆笑で連鎖が起こるのでは、作品は全然違う感触だった。何度視てても会場の雰囲気が好いと一緒に笑ってしまう、いい塩梅の寄席に似て。なにしろ後年の作品『ルームサービス』は独りで見ると退屈だったりする。


ふたりのマルクス対談にはチャップリン崇拝の日本で20年近くの孤独を共有してきた事にただ共感スル。
したまちコメディ映画祭という大枠では、グルーチョに影響を受けた日本の喜劇人として、戦前からのコメディアン、永田キングの名前もあがった。自分もその存在を知ったのは最近の事なので、浅草の生き字引な老人やら古い浅草演劇資料などから写真など探してくれてたら・・・。もし次の機会があれば昭和初期の浅草の映画館での『マルクス』と当時の観客の反応とか知りたいココロだ!




同じチケットで博物館の平常展も観れた。本館一階の企画展示 『自在置物』の精巧な竜や昆虫に喜ぶ。
帰りは日没の雨本降り自転車帰宅でも、時間が経つほど染みて来る企画だった。