前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

エチオピア産コーヒーから

BS世界のドキュメンタリー シリーズ・食とグローバリズムから
エチオピア コーヒー生産国の悲劇 【原題 BLACK GOLD 】Fulcrum Productions 2005年(英)
・・・どうも日本語タイトルが視聴者を選別してしまう気が。視てみると将来に希望の持てる運動を写していたので、コーヒー好きにはお勧め。
エチオピアでは約7千万人の人口の1/4がコーヒー産業に関わっている。現地の生産者に公正な価格が払われるように、売買市場の改善や直接取引ルートを開拓しているオロミア・コーヒー生産者組合代表のメスケラ氏(Tadesse Meskela)を密着取材した作品。現地の生産者に聴くとコーヒー豆1キロあたり日本円で12〜24円しか払われていない。いくら物価の安い国でもこれでは靴も買えなければ、満足な食事も、子供を学校にも通わせる事も出来ない。


コーヒー豆の世界市場ではいくつもの仲買人と、ロンドン・ニューヨーク取引市場で世界の流通の約半分を支配する四社(ネスレ クラフト P&G サラ・リー)が膨大な利益を得ている。もちろん各社は取材拒否。ニューヨーク取引市場に批判的で、フェアトレードに理解のあるEUのいくつかの輸入業者との取材やエチオピアからの売り込み商談を挟みながら、エチオピアの苦しい学校運営や南部の飢餓も写している。



この作品のよく出来た公式サイトが在った。
http://www.blackgoldmovie.com/
計算機のページは興味深い。自分がどの種類のコーヒーを一日何杯飲むかを入力すると、コーヒー型のアニメグラフで何処に何パーセント払われてるか教えてくれる。生産者には1〜3%と出た。
自分はカフェイン中毒なので消費する量が多い。コーヒー生産地にも関心あり、だいぶ前からフェアトレードコーヒーを買って飲んでいる。もう身体に悪いくらい飲んでる。なにがフェアなんだか。


番組に出てたエチオピアの組合を検索したら、国内大手スーパーのイオングループで既にトップバリューのフェアトレード・コーヒー名でエチオピア産豆も売っていた。
http://www.aeon.jp/shopping/recommend/food/f_coffee.html
安いと思う。売り上げに貢献したいと思うけど、缶コーヒーの販売はちょっと理解に苦しむ。
だいぶ前からスターバックスの店頭でもフェアトレード・ブランドの豆を売るようになってはいる。


既存の市場にフェアトレードのネーミングだけ取り込まれる懸念は以前からされている。単純に企業を悪だとは思わないけど、これからも疑い深い消費者マインドで飲み続けやう。


後記 2008年5月31日(土)より、渋谷アップリンクXで【おいしいコーヒーの真実】の邦題で上映予定。オリジナル78分。