前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

牛山純一 20世紀の映像遺産
ぶどう一山お札1200枚 南米の超インフレ年22倍 

1985年の南米ボリビアの首都ラパスで取材した番組を視る。政情不安でハイパーインフレになっていた時期、ディレクターが現地で両替した重さ10キロ以上の札束、250万ペソ分(日本円で6千円近く)をリュックサックに詰めて、ロドリゲス市場を廻って買い物をする映像。野菜からブラジル製のジーパンまで。小額紙幣の札束は受け取りを拒否されたり、インフレが凄すぎて札束というよりも『札柱』に視える。


市場ではハカリに細工をして重さを誤魔化して売っている行商人を摘発する警察の姿も撮られている。食料品を公定価格より高い値で売った商人は拘置所に一時収容されて罰金を課されている。
2ヶ月間隔をあけた市場の取材では野菜の値段が3倍、ガソリン価格が6倍に高騰していた。パン屋の一日の売り上げが穀物袋一杯の札束で銀行へ運び込まれる事態。運ぶのも大人3人掛かり。


恒例の夢を買うお祭りアラシタ【ALASITA】はエケコと呼ばれる福の神人形や欲しいもののミニチュアを買って願掛けする事で、翌年に実物が手に入るという。
エケコは日本の七福神にも似た恵比寿顔のメタボおじさん。身体全体で穀物から電気製品まで抱えている陶器人形。露天で売られているミニチュア単品モノは多彩。トヨタのトラック、新築一戸建て、市場では自国のミニチュア紙幣ではなく米ドルのミニチュアが出現しているところを写している。