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カフェイン大全―コーヒー・茶・チョコレートの歴史からダイエット・ドーピング・依存症の現状まで

カフェイン大全―コーヒー・茶・チョコレートの歴史からダイエット・ドーピング・依存症の現状まで

【カフェイン大全】THE WORLO OF CAFFEINE

 米国のサイエンスライター共著のぶ厚い翻訳本。
カフェインが含まれる珈琲、各種お茶から、店で売られる清涼飲料までの歴史を辿る&医学的、科学的に人体に及ぼす最新の研究と検証までも網羅した最新カフェイン百科。


コーヒー豆に含まれるカフェイン量は香りの高いアラビカ種よりも味の落ちるロブスタ種の方が2倍も含んでいる。インスタントや加工商品にはこちらがよく使われているそう。インスタントはもともと豆の種類から違うとは知らなかった。
茶葉系では摘みたてすぐの緑茶が一番少なくて、紅茶から半発酵の度合いが強い方がカフェイン量が上がるという。日本茶では抹茶が一番カフェインの含有量が多いそう。言われてみれば濃密さがデミタスっぽい。


人体へのカフェインによる影響は、今現在もさまざまな研究がされている。しかし個人のカフェイン許容量(それ以上飲むと悪影響が出る境界)の違いが大きく、誰もが同じ量のカップで飲むわけがないから比較もカフェインの一杯のカウントも難しい。ブラックだけでなくミルクや砂糖をいれて飲む人や喫煙者も居るので、カフェインの影響うんぬんとは言い切れない差も出る。日本だと缶コーヒー常用者も多そうだし。
カフェインは健康に良い派と悪い派では、はじめに結論ありきでデーターを取っている感がする。
それでもこの本で紹介されている症例は、内臓への影響から情緒の領域まで、文字通りに身につまされる事が多い。


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以前、長時間パソコン画面の前で作業していた頃に、眼球が重い熱を持つような症状が続いていた。電磁波だけではなくて、それには日常の濃いコーヒーが眼の症状をより悪化させてた事をこの本で知る。
【p530〜531】付録C 『カフェインと目』で血管の圧迫により眼圧を増大させ、緑内障患者には日に2杯のコーヒーでも危険性がある。通常のひとでも一時間に四杯のコーヒーを飲んだ人は眼圧が上った。
【p490】『第17章 カフェイン依存とカフェイン中毒
でコーラとコーヒーを日常過剰に飲んでいるひとの症例、四年間の眼精疲労と躁鬱状態が記されている。


短時間6杯程度のコーヒーを飲むと高揚感を超えて譫妄状態に入る可能性があると紹介されている。ま、濃ければ3杯でも・・・。合法ドラックのように飲んでいる愛好家たちの例も紹介されている。なるほど確かにあの高揚感は麻薬だと思える。でも異常に神経過敏になったりして重い疲労を身体に蓄積するから、ダメージを回復するために後々長い睡眠や栄養バランスを考えた食事などが必要なのでお薦めしない。


生活のなかのカフェインの効用は、速効で活気を出す(脱力感からのドーピング)とか、疲労回復(疲れを後回しにする) 、食欲増進(胃壁を痛める)とか、これも程度問題ということで。
などと、この日久々に居酒屋で知人の健康談義を聞きながら喫煙席に付き合って飲んだ。