前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

2014レイバー映画祭

レイバー映画祭2014 豪華ラインナップで7.26に開催
ここのところずっと原発事故関連のドキュメンタリーを見続けている、で見逃していた「A2-B-C」と韓国サムスン電子の労災問題「貪欲の帝国」が日本初公開という魅力的なラインナップ。結果的に5本とも視て良かった。主催者グループに感謝。


高温のなか自転車こぐこと50分、田町駅南側の有料地下駐輪場へ留め会場へ、10時開始で休憩多めとはいえ17時過ぎまで5本、その後に別件の上映会もあるので、最近通販で買ったエアクッションを座席に敷いて坐骨神経痛対策。


「A2-B-C」
レイバー映画祭の写真にも使われている福島県甲状腺がん検診を記録したドキュメンタリー・・・と思って臨んだら、今まで聞けなかった子育て母親たちの 悩み、自嘲、怒り、子どもたちの受け答え、英語でインタビューに答える若い除染業者の本音も、頭では分かってても当事者が発すると、苦しみを直で共有するなんて無理だと感じる。会場でどよめく声があがったのは、校舎の柵の外や道路の側溝近くで線量計を測った時。子ども共々に逃げて早く別天地で生活すればいいのに何故?という不特定多数の気持ちが自分にも伝わってしまう。そんな簡単に土地を離れられないのは想像出来るし、避難先から経済的心理的に疲れて戻ってしまう家族も居る。様々な理由で避難できない母子を一時保養施設に招く地道な運動も、気づかない所で痛い気持ちにさせていた事も知る。寄り添っている人たちも傷つきながら試行錯誤している行為がこの作品そのものなのかと思う。地方の単館や自主上映会も続いているので是非視て欲しい。


主催者発表、のべ参加者380人とのこと。会場が一番満杯だったはこの作品だったと思う。



「貪欲の帝国」サムスン電子労働災害裁判闘争
90年代から入社し半導体製造工場で働いていた作業員のガンが多発した事件を被害者家族がそれぞれの闘病と共に巨大企業サムスンへの責任追及を記録した作品。サムスン本社前の抗議に霊柩車で道路封鎖したり、神経が麻痺してしまった元作業員がメガホンで弱々しく声を振り絞る女性の叫びは深く刻まれる。
白血病をはじめ、脳腫瘍や様々な重篤な病気を引き起こしたのは事実でも、当時工場内で使用していた複数の薬剤の中の何とガンの因果関係があったのか、そこの分かりやすい説明は見逃したのかもしれないけど、何か説明が足りないと思う。最新のニュースではサムスン側は被害者と和解する用意はあるが自社の非は認めないという、わけの分からない態度。
サムスン半導体工場で娘を失った父親の7年の闘い : 政治•社会 : hankyoreh japan
(20140915追記ニュース)


80年代後半から三菱マテリアルの子会社がマレーシアのイポー近郊で起こした廃棄物由来と思われる住民の被曝と健康被害を思い出し、あれから後どうなったか気になる。