前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

集団的自衛権閣議決定 首相官邸前抗議

この国のデモって・・・、逮捕されたり殺されるわけじゃないのに意思表示の手段として気軽に参加できない何か低い段差があるのかなぁと。これまで集団行動が嫌いな自分も、賛同したい時は参加してはいるけど、旧来型の同じスローガンを叫ぶ表現方法は功罪あるなと思う。台湾のデモ動員数と主催者チームの創意工夫の一端を聞くと、日本で見られる手法はまだ幼い、包装紙だけ民主主義に包まれてんのかと思う。それでも311以降の金曜デモ始め各地へ広がっていく可能性には楽観視してる。


世間では古いデモのイメージのままで否定している論調は根強い。日本社会のダメ出し、減点文化も足を引っ張ってるかも。何がデモ参加を阻むのか、取り除く方法は簡単な気がもするけど・・・


有権者が投票して生まれた政権の方針なのだから、デモで抵抗しようなんてワガママだという意見。文化人から場末のオヤジまで結構な数居る。自分の様にこれまで消去法で選んで投票しても死に票ばかりの有権者としては、下品でも低能でも勝ち馬に乗るのが利口だと勘違いしてる下衆に、ヒトの道をお説教されても困るわけで。とはいえ彼らのデモへの悪印象も少し分かる。参加してみると正直うるさい。
殺人的な音量の右翼の街宣車〜アレに感じる生理的殺意は覚えないけど、官邸前や国会周辺は住宅街ではないので気持ちは楽。


主張は共感していても実際耳元でトラメガやホイッスル鳴らされると見事に不快なので離れてる。個人やビギナーが参加しやすい様にエリアを設けるという配慮はイラク戦争反対デモからあった。でもスローガン叫ばないとデモやってる実感がしない参加者も多い様だし、自分の様に無言で通すのは結構気疲れするし自意識過剰から責められている気もする。統一されたプラカードで埋め尽くされた写真はインパクトでかいし、取材者だって分かりやすい絵が撮りたいだろうけど、雨や暑さ寒さなど厳しい屋外で反対運動に通って来る高齢者、20世紀からの市民運動には敬意を感じつつ、写真だけだと見る者には古い左翼のイメージか世代間憎悪を呼ぶだけかもしれない。老若男女が参加している多様さ軽やかさがないと共感も広がらない。

  • きっかけ

朝からTwitterリツイート群、集団的自衛権解釈改憲閣議決定されそうなので緊急の抗議が官邸前で30日ー1日やります というお知らせ。仕事休憩のなかでタイムラインに目を通しているうち、普段は政治に興味がないという若者や、自分の様に集団行動が嫌いな人も今回は参加せねばと表明したり、TDC(Tokyo democracy Crew)がRTで拡散している。TDCのネット活動はUK勝手連トークイベントで存在は知っていたけど、今回はご丁寧に著名人から場末のネトウヨまでデモに対するネガティブなツイートを、一個一個言葉で返して地道に潰すという攻めの姿勢がふっ切れてた。

  • 逡巡

仕事帰りに抗議行動へ行くには体力気力弱っているし「とっとと帰ってシャワー浴びて横になりたい」OR 「行かなかったら後々後悔するかも」と悩む。デモに対して「暇人が騒ぎたいだけ」と言い切ってるツイートも未だ多いけど、こういう低能なセリフが逆に自分の行動を後押しする。例えば脱原発官邸前金曜アクションに途中参加してくる仕事帰りのスーツ着たサラリーマンとか、子育て中ママとかの姿。リアルタイム検索やツイートだけでは実際現地にどれ位の規模で多種多様な人が集まるのかは分からない、年配でもモバイル機器でユーストやツイキャス使いこなしてる人も見かけるし、どんなイベントでも行かないと体感できないことばかり。
どこぞの得票で選ばれた劣化世襲議員に「全権お任せ」なんぞ誰が与えるものかと。

  • 道中

スマフォGoogle Mapsで仕事場から官邸前までの徒歩(自転車)8Kmルートを検索。18時半スタートには余裕だなと。実際は開始が早かったけど。最短ルート走って見るとなぜだか開店間もない小さな飲み屋街を幾つも結ぶ、しかもリトルコリア要素多し。東京って坂道と細かい路地のモザイクなんだなと、疲れない程度に自転車でゆっくり、ゴールの溜池山王駅近くドトールでアイスコーヒー&ミラノサンドのセット。相変わらずオフィス街のスーツ率は凄まじい、しかも小洒落てる。その面でも自分だけが明らかに異分子として目立ってる。スーツなんて日本の高温多湿な気候に合わねぇ俺が正しいんだと言い聞かせながら。

  • 短い参加

官邸前に向かって長い列が出来てた。2列で並んでみても進む気配がない。デモ行進とは違う抗議行動という体裁もあって、警察の交通管理の指示通り細く長い列だと沢山集まってるのか分かりにくい。それも為政者側の狙いなんだろう。隣になった人が慣れた手つきでトラメガを出してコール始める。やっぱりうるさいので工事用バーを跨いで道路寄りの細い通路に出て、一般通行人としてデモの先頭を目指す。至近距離の人たちの肉声コールが熱い。途中人の波で道を塞がれて進めず、一旦地下鉄入り口へ入って地下通路から一気に首相官邸前の交差点へ出る。新鮮なリズムで抗議コールが鳴っていた。リードしているグループが幾つか、見た目も若い。見に来て良かった感。留まらず回遊魚の様に群れから離れる。

  • 不完全燃焼

ファシストファシストファシストと呼ぶには安倍政権と自公与党には知能犯ほどに狡猾さは感じられない。根拠なきプライドは超一流でもナチスの手口を学ぶには基礎学力がない。解釈改憲反対、憲法守れ はもっともな事だ。
9条は平和の理念とは言えど唱えていれば成就するインスタントな念仏ではない、「戦後ずっと平和を守って来た」って意味が自分には「唯一の被爆国」同様に分からない。ベトナム戦争はじめイラク戦争まで米国が焚きつけた紛争地へ沖縄から新兵も兵器も物資も送り続けて加担している。第一次イラク戦争では海部政権当時に国民の合意の無いまま90億ドルも出している、第二次イラク戦争では米軍支持を一番乗りで小泉政権が支持して時限立法とやらで戦地の補給に自衛隊を出してた。結果的に大量破壊兵器は無かったけど英国ブレア元首相の様に戦争支持の責任追及はされていない。米国政府の要請なのか与党の政治的判断でPKOに何度も自衛隊が出されている。解釈改憲まがいの事には悪しき前例が積まれている。抽象的な平和憲法の一文だけでは米国の戦争に日本が加担する事はこれから先も防げない。


後日、若年層が集団的自衛権=徴兵制と直で連想し「安倍しね」と七夕短冊に書いたり(おもしろネタ疑惑)ツイートしてたのを激しくRTしていた手法は確信犯だろうけど、マナー問題とかではなく文革で毛さんが若い紅衛兵たちの暴力行為を解き放った「造反有利」を連想してしまう。センセーショナルな手法を薄めで危機を伝える事はむずかしいのだが。