前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

映画が伝えるルワンダ虐殺

仕事帰りに中野ゼロホールへ
ルワンダ虐殺20年追悼 特別上映会「映画が伝えるルワンダ虐殺」ルワンダ大使館・シネマアフリカ共催)
http://www.cinemaafrica.com/?page_id=1690
無料イベント2日目ということもあり500人収容の小ホールに最終的には400人近く入った。
入り口でルワンダコーヒー豆(粉)の試供品をもらう。何年か前から日本にもルワンダスペシャリティコーヒーは輸入されている。元々珈琲栽培に適した土壌と気候に恵まれているらしい。

駐日大使の英語でのスピーチ 百日間でおよそ百万人が殺された1994年のルワンダ虐殺事件についての追悼、そして平和とともに発展するルワンダの今を手短に紹介。
日本語通訳の方の発音があまりに流暢で驚く。


「イセター 道路封鎖の背後で」原題:ISETA- Behind the Road Block(2008年)55分
1994年ルワンダ駐在の国連ベルギー兵に守られていたイギリス人ジャーナリストが建物の上から道路上での近隣住民の生々しい殺戮を望遠でビデオ撮影していた。現地に居た白人は国連軍に守られながら集団で国外へ、路上のいたるところに惨殺された死体が転がっている。撮影しながら良心の呵責に苦しんだ彼は14年後にルワンダを再訪。当時撮影した映像に写っている被害者、加害者が誰なのかを探して尋ね歩く。望遠で取られた顔のハッキリ分からないビデオ映像を地元住民に視せて、体格や動作などから14年前の被害者、生き残り、加害者をはっきりさせていく。昔から隣人同士の容疑者たち、里子に出されていた被害者の子どもたちを探し出してケニアへ留学させている。


「故郷 」原題:Homeland(2005年)90分
1962年 ルワンダ独立に、監督の家族は祖父が連れて行かれ行方不明に、そして1994年虐殺の年、監督が20歳の時には父親が殺された、国外へ逃げ難民として過ごす。両親の故郷を尋ねるためにルワンダへ戻り、各地を歩き尋ねていくロードムービー。世代間で理由もなく殺されていく隣人たち、この連鎖は止められるのかという問いで終わる。


様々な映像を凝らしているけど、この作品は視ていてかなり長く感じた。


上映後に観客席から大使への質疑応答。
どれも興味深かったけど、自分としてはルワンダ虐殺20年 追悼記念イベントを極東の島国で上映会開催する事への驚きが一番大きかった。理由もなく殺されていった人たちも、植民地時代のドイツ優生学の影響か民族を顔かたちや名前で分けて分断した間接統治、民族同士で憎悪の芽を育んでいた。今日の「●●人はゴキブリ、諸悪の根源だ、殺せ」という民族憎悪は、日本国内で流されるニュースや平積みの売れ筋書籍でも分かりやすくスクスク育まれてる。日本社会も社会不安とタイミングによっては隣人殺しに流される可能性だって大いにあるだろう。「日本人は優秀」などと根拠の無い優越感は隣国の人々を侮蔑するほど根深い。