前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

チョンジュ プロジェクト2012(東京フィルメックス2012)

韓国全州での国際映画プロジェクトとして選ばれたスリランカ・フィリピン・中国の映像作家の3作品をオムニバス上映。

  • スリランカのヴィムクティ・ジャヤスンダラ (Vimukthi JAYASUNDARA)監督『黄色い最期の光』 Light in the Yellow Breathing Space


目新しい映像美は感じなかったけどアート映画という範疇だと思う。熱帯の風景に不自然すぎる恐竜の被り物とか・・・33分という短い枠も丁度良い。

  • フィリピンのラヤ・マーティン (Raya MARTIN) 監督『グレート・シネマ・パーティー』 The Great Cinema Party

70分というのも疑いたくなるくらい、映画とは呼びたくない自分史上最低の作品!実験映画という呼び方も納得出来ないくらい、観客の忍耐をあざ笑う様な間延びしただらしない映像がえんえんと続く・・・この作品をノミネートした人達の知性を疑う。DVDで8倍速くらいで飛ばして試写したんじゃないかと思う。
上映前半に長々と太平洋戦争下のフィリピン日本軍占領と米軍の反撃が資料映像で使われているけど、重要な意味もない同じシーンをなんども繰り返す情緒不安定な編集映像も酷かった。ここで劇場から出たいと願ったけど、大きな会場で観客席が空いていたのにかかわらず、予約した指定座席は両隣に人がいたので出られなかった。
なにより、3つ目の作品が観たくて来たのだが。

  • 中国のイン・リャン (YING Liang)監督

『私には言いたいことがある』 When Night Falls
70分

2008年、上海で6人の警察官を殺害して死刑に処せられた若者がいた。本作はその若者の母にスポットを当て、息子との面会を望む母の姿を描く。


再現ドキュメンタリーとしてのドラマだった。上映後に監督のインタビューとティーチイン。中国国内では誰もが知っている事件だという。しかし警察署襲撃の動機が分からない。容疑者の母親が拘束されて偽名で公安警察の傘下の精神病院へ長期拘禁されていたりと、不可解過ぎる事件。
今までなら、帰宅後ネットで調べようという気力があったけど、前記の史上最悪の作品への精神的ダメージが大き過ぎて駄目だった。