メディアは大震災・原発事故をどう語ったか
メディアは大震災・原発事故をどう語ったか─報道・ネット・ドキュメンタリーを検証する
- 作者: 遠藤薫
- 出版社/メーカー: 東京電機大学出版局
- 発売日: 2012/03/10
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 6回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
震災・津波被害・原発事故を伝えた、新聞・テレビ(報道・ドキュメンタリー・バラエティ)からネットではTwitter、動画サイト、そして世界の主要メディアの伝えた混乱の大枠を、時系列で紹介。
メディア当事者の伝え方への検証があったのか、ずっと疑問だった。当初は極端だった原発事故への過小評価と放射能の拡散について、NHKの中継で建屋の爆発映像を見ながら、専門家と称する人間が「爆破弁」と言うのを覚えている人も多い。実際は、放射能除去フィルターの無いベントが手動ではなかなか動かせずに、現場の状況が分からず首相までがヘリで視察に来ては帰る。水素爆発した時は、近隣の双葉町など住民はバスで避難するため外に居て、飛散した外壁の塵などを浴びてしまう。
放射能が拡散した直後も、測定した線量の高い地名を読めなくするなど「パニックを恐れた」データ隠匿で、避難民が知らずに被曝したことは言うまでもない。
2011 9/11放送「原発水素爆発、私たちはどう伝えたのか」(福島中央テレビ)
本書に番組内容をテキストとして掲載されている。
http://www.youtube.com/watch?v=7V-0XBdS86A
実際、映像で見てみると番組タイトルの割には4分という枠で、カメラ設置の先見性とネットでの誤解への言及のふたつしか記憶に残らない。日本テレビ系列での全国放送が遅れた理由も分からない。
原発事故当時にアルジャジーラが、情報不足のまま欧米メディアの発信する過剰な被害報道を牽制する番組を放送していた事は知らなかった。事故直後からの原発事故に抗議するデモを取材して報道していたのは海外メディアだけだった。