前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

「天から落ちてきた!/天降」

「天から落ちてきた!」張賛波(チャン・ザンボー)監督 2009年
四川省西昌から打上げられたロケットは、湖南省綏寧県の11の村に大小部品が轟音と共に落ちる「理論落下地点」。


交通の不便な村は狭い耕地と棚田の土地。農薬や肥料にお金が掛かり過ぎて農作物を売っても儲けにならないという。帰郷した女性実業家は工場部品の内職を営んでいるが、儲けにはつながらない。
廃校になった校舎で食材向けのウサギを増やしている青年、数年前16歳の少女が落下物の直撃で亡くなったのは「同級生」だった。犠牲者の家族へのインタビューは痛々しい。中国国内では報道すらされなかった。


2008北京五輪開催年の農村の日々の暮らしを淡々と記録もして、いろんな対比にもなっていた。


映画の最後には屋根を突き破って落ちてきた家の保証に、軍の調査隊とのシビアな値段交渉が写されている。公職たちの本音は怒りを通り越して笑うしかない。


上映後の質疑応答でこの村々は監督の故郷の近くと知る。


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去年の東京国際映画祭2010で上映されたドキュメンタリー「スペース・ツーリスト」(2009)スイス
ロシア製ロケットの部品が落ちてくるカザフの村(ジュラルミン製の破片を農機具に加工したりする)と、遠く草原の彼方までトラックで獲りに行く廃品回収業者たちのワイルドな映像はアッケラカンとして脳裏に焼き付いている。お椀状の部品を使って自炊とか・・・