前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

国際貢献のウソ

国際貢献のウソ (ちくまプリマー新書)

国際貢献のウソ (ちくまプリマー新書)

80年代からインドのスラムに住み込み地元組織を作り上げたり、欧米のNGOに入ってアフリカでは病院から道路までインフラ整備を担当したり、東チモールでは臨時県知事を、アフガンでは武装解除に貢献するなど、実地での経歴が説得力になっている。


タイトルや目次だけだと一見乱暴なようでも、一般的な日本人にありがちな国連の平和活動への過度な期待や、自衛隊や外務省の実務能力を越えた願望などを、現実の身の丈へ戻してくれる上で、理にかなっている問題解決へ提言する内容なっている。


外務省がアフリカ各国をODAで買収してまで入りたがっている国連常任理事国の5カ国が「拒否権」を持つ限り、巨大な官僚組織と化した国連で日本が出来る事は限られている。
日本のメディアのみで活躍が伝えられた自衛隊の海外派遣も、イラクでは民間傭兵会社と同じ扱いだった。


日本のNGOの清貧と「寄付文化のない日本」についての言及は、長年の経験があきらめに達している。