前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

大道芸および場末の自由

大道芸および場末の自由 平岡正明:著
横浜野毛で街の大道芸フェスも運営していた著名な雑文家による短編集。


「国境線上のひばり歌謡」の項では、自分の長い誤解が解けた。かなり前に美空ひばりの歌うジャズボーカル集をCDで聴いて、兎に角巧さに驚いた。天性の歌い手は耳が良いから日本人離れした発音で歌えるのかと勝手に納得してた。
著者によると美空ひばりの父、加藤増吉は都々逸も浪曲もギターもうまかった。そのお手本にはあきれたぼういず川田晴久がいる。その系譜はひばりが吹き込んだジャズボーカル曲に繋がる。


「ジプシー的」の項では、スペイン旅での薀蓄とカタリが面白いなぁと、庶民が悦ぶ大衆芸能や大道芸を溺愛するとやっぱりそこに行き着くのだろうか。
ちょっとシプシーの生き方に己の理想を投影し過ぎだと思うが。