北朝鮮に消えた歌声 永田絃次郎の生涯
- 作者: 喜多由浩
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/05
- メディア: 単行本
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当時日本の植民地韓国で育ち、平壌のミッションスクールで西洋音楽の基礎を学び、合唱と当時珍しいクラリネットを習う。日本へ渡って狭き門の東京の陸軍戸山学校軍楽隊へ入学。除隊後に歌手を目指し下八川圭佑に師事、音楽コンクール声楽部門入選。ソプラノ歌手三浦環の舞台「蝶々夫人」相手役に抜擢される、私生活では日本人女性と結婚して帰化。キングレコードに移籍してからは人気の戦時歌謡を数多く吹き込む。日本の敗戦後は、在日朝鮮人同盟(朝連)主催の舞台が多くなる、そして昭和35年1月新潟港から帰国船へ家族6名で北朝鮮へ。帰国直後は金日成に気に入られて活躍した様子も、最晩年の暮らしはあまりハッキリしない。
同郷で後輩にあたる流行歌手、小畑実/カン・ヨンチョルの逸話が面白い。
あの独特の甘い歌声は、個性的な歌声を目指して努力して生まれたクルーナー唱法というのか。
戦後のラジオ歌謡から 虹の都
まだ朝鮮特需の前のどん底にあって、この突き抜けた明るさとチカラは何なんだろう。