私たちはこうして「原発大国」を選んだ。 増補版「核」論
私たちはこうして「原発大国」を選んだ - 増補版「核」論 (中公新書ラクレ)
- 作者: 武田徹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2011/05/10
- メディア: 新書
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本書は2002年に出版された【「核」論ー 鉄腕アトムと原発事故のあいだ】を3・11後に2011年論というまえがきを加筆した新書。
興味深かった項は2箇所。
ざっくり人形峠でのウラン鉱採掘物語を知る。
【プルトニウムを誤って飲んでもだいじょうぶ】って安全PRの元ネタになった誤飲エピソードを知る。
帯のコピーが秀逸。【3・11以後もはや「豊かさ」の来歴を知らずには済まされない】
自分は3・11以後ほんとうのバブルの終わりを感じている。漠然とそれに似た感慨を持って「今まで通り」暮らしてる人も多いのではないかと思う。
この本に限ったことではないけど、注目されたいからといってケンカを売るようなタイトルを新書に付けるのはどうかと思う。もしくは別の本【それでも、日本人は戦争を選んだ】を意識しての事か?読み終わった読者のため息が聞こえる、やっぱ選んだ覚えはないよと。
悪者探しは止めましょう、一億総懺悔みたいな同調圧力は、敗戦直後にもあったんだろうなぁ。
元は2002年以前の著作なので、反原発派の考えを単純化してしまっているのは仕方がないとしても、まえがきでの特定のフリージャーナリストやTwitterでのマスコミ批判を、脊髄反射的な反応と書いてしまうあたりに強い違和感をおぼえる、俯瞰しているつもりのあなたのほうが感情的なんじゃないですか?と言いたくなる。
残念ながら多くの人が二項対立の図式から外へ出ては居ない。