前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

永遠のチェルノブイリ/被爆(ひばく)の森はいま/見えない敵

NHK BS1世界のドキュメンタリー シリーズ チェルノブイリ事故25年として放送3本を録画で視たのでメモ。


「永遠のチェルノブイリ」Chernobyl 4 Ever 2011年(NHK国際共同製作)


事故当時を知らないウクライナの若者たちの健康被害と、ネットゲームで描かれるチェルノブイリ。世界中から訪れる人々にチェルノブイリを見学させるガイド。当時多くの労働力で作られた石棺の老朽化と国際援助での新たな石棺建設計画を紹介。事故を起こした4号機の内部の詳細(燃料がまだ残っているか)は不明とのこと。安全に解体するには未来の技術しか望みがない。


被爆の森はいま」2010年(フランス)


事故当時に汚染され赤く枯れた森に、少しずつ戻って来た動物たち。30キロ圏内は人が住まないので大型のシカやクマまでもが棲み着いている。そこへ通って生態系と遺伝子レベルの影響を調査する学者の姿を記録。
 世代交代が進み外見上は異常が見当たらないネズミとは対照的に、ツバメなど渡り鳥には見た目の異常と繁殖能力の欠陥が見られた。
実験マウスを持ち込んで現地で低線量の被爆をさせた後で、実験室に戻して短時間の強い放射線を浴びせると、普通のマウスよりも破壊された細胞の修復が早まるという実験結果が短く映されていたのが非常に気になった。
(番組ではホルミシス効果と紹介されていたけど、あくまでも医学的には仮説とのこと。破壊された細胞やDNAが修復不能になるしきい値が分からないのも問題。しかし原発事故の楽観論者がこれに飛びつく恐れあり)
ツバメなどは長距離の長旅で、細胞の修復に必要な抗酸化物質を消耗しているのが不利なのでは?との事。
野菜などは放射性物質カリウムやカルシウムと間違えて取り込んでしまう。品種によって放射性物質を貯めこむ場所や値が違う事を紹介。


「見えない敵」2006年(ドイツ)


事故当時に現場を撮影取材していた生き残りのスタッフの証言と未公開フィルム。事故の一年後に独ソ戦の証言を取材に訪れたドイツ人監督と妻のその後。軍の命令で事故処理に関わり被爆し、生前インタビューに応じていた画家とその母親、友人の証言集。モニュメントと小さな勲章が印象に残る。


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Web上のNHKエコチャンネルでチェルノブイリ事故その後のミニ番組を幾つも見れるようになってる。生活の不安に答える情報発信に感謝。

http://cgi4.nhk.or.jp/eco-channel/jp/movie/play.cgi?movie=j_tonight_20110426_0946