池袋チャイナタウン
- 作者: 山下清海
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2010/10/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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池袋チャイナタウン構想の話を聴いたのも最近で、その辺の事情はこの本でようやく分かった。東京に暮らす在日外国人を扱った本は少ないながら何冊か読んだけど、この本は80年代から現在までの彼ら世代の変化と、著者の研究の長さを感じさせる。
複数の起業に熱心な新華僑たちの各種ビジネスの内容も面白いけど、東京での子育てと中国語教育事情も、なんとも興味深い。
報道で犯人は中国人マフィアという表現も、関係者に訊いてみると実は不良・チンピラの類が脅す相手に自分たちを大きく見せようとマフィアを騙っているだけで、それに手柄を大きく見せたい警察や、中国叩きがウケると思っているマスコミが乗っている、という声も紹介されている。
前から気になっていた看板のお店のオーナーや、有名外食チェーン店の話なども沢山載っていて、面白く有り難く読めた。ここ数年は中国を煽る本の出版が目立つけど、ご当地とはいえ、この本を目立つ平積みで置く良心的な本屋があることも有り難い。