日・中・台 視えざる絆 〜中国首脳通訳のみた外交秘録
- 作者: 本田善彦
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2006/09/01
- メディア: 単行本
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以前、ドキュメンタリーで周恩来の日本語通訳をされていたご高齢の女性のインタビューが短く挟まれていて、もっと聞いてみたいと思っていたのでこの本は大変ありがたい。
日本の占領期、敗戦直後、国民党と大陸の分断の時代と、家族、兄弟姉妹で日・中・台に長く音信不通だった状況も個々人のインタビューで浮かび上がる。
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台湾人の個々の抱えた複雑さと占領期を肯定する日本人の厚顔無恥を再度痛感する。
日中間で情勢険悪でも問題が大きくなる前に外交交渉が行われる人脈ルートが、今機能しているようには思えない。大陸は党幹部が世代交代し共産党の歴史を正当化するために抗日戦争を美化し続けるだろうし、日米の機密文書を平気で燃やす日本の外務省には交渉する能力も権限もあるうように思えない。