前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

「3バカに乾杯!」3 idiots

したまちコメディ映画祭最終日、浅草公会堂で日本初上映のボリウッド映画「3バカに乾杯!」3 idiots を鑑賞。上映前には字幕監修担当でインド映画紹介者、松岡環さんの解説もあり。
アーミル・カーン主演、ヒロインにカリーナ・カプール、エリート工科大学の寮生活での3人の友情と学長との対立などが中心のコメディ。2009年末から今年にかけて大ヒットした映画というだけあって、お約束設定と娯楽性がてんこ盛り、それでいて細部の伏線のすべてが無駄なく綺麗に昇華される、練りに練られて創り込まれたドラマ。でも作品のテーマとは逆にシナリオの点取り優等生みたいな気も〜。洗練されたミュージカルシーンそれぞれが短いのは昨今の傾向なのかな?
観てる間は楽しくて、翌日は何も残らないハリウッド型・・・そこまでは思わないけど、ラスト近くの高地ラダックの湖の美しい蒼さは記憶に残る。

客層はほとんど日本人でインド人は稀だった。主人公たちのエリート工科大学での怒涛のドラマは、日本で仕事をしているIT系インド人にとっては荒唐無稽にしか思えないのかも。ニュースではインド国内の中流層の台頭が伝えられるけど、この作品は未だに教育の機会を与えられない大衆側の望んだ、古き良き夢の娯楽映画への回帰なのだと思う。劇中に何度も挿入されるステレオタイプな映画のパロディも確信犯的。それでも泣かせどころで涙腺がうるむのはよく出来てるから・・・歳のせいじゃなくって。