前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

世界中のアフリカへ行こう

明治大学公開講座「世界文化の旅 アフリカ篇」2007年を元に各分野の通が加筆したアフリカ文化を紹介する本。
呪術・物語・教育・新植民地主義・食物・音楽・ダンス・文学・スタイル(ヒップホップ文化)


●呪術 旅する魔法ー変容しつづけるアフリカの呪術 中村和恵

現代に生きている呪術について、奴隷時代にアメリカ大陸へ渡った西アフリカの精霊信仰が圧制者側のカトリック信仰と混合してオリシャ、あるいはジャンゴ・カルトが生まれた。カリブ海から北米〜南米まで、各地それぞれヴードゥー・カンドンブレ・サンテリアと呼ばれている。


20世紀のはじめにドイツ植民地時代のタンザニアで起きたマジマジ反乱では、鉄砲に負けない魔法の水マジマジを身体につけて、重火器を持ったドイツ軍に二年も抵抗したという。綿花プランテーションでの過酷な労働と飢餓によって追い詰められていた住民たちを「死を恐れぬ」行動につき動かせたのは、無茶な迷信を信じただけではない。呪術は必然で生まれるのかも。
この魔法の水伝説は21世紀になっても紛争地で別の名前で甦っているという。


新植民地主義 コンゴはどうして貧しいか −新植民地主義とアフリカの未来 ムンシ・ヴァンジラ・ロジェ
講師はコンゴ民主共和国出身、先進各国のレアメタル資源争奪などの思惑が民族紛争を操っている現状を「新植民地主義」と呼ぶ。階層社会が旧植民地時代のピラミッド型から、現在はミドルクラス(留学生・エリート・知識人)が国に居ない構図が問題だと指摘する。日本でアフリカを語るネイティブの論客が居ることは心強い。今後のメディアでの活躍を期待。


●ダンス 腰が語る −アフリカから世界へ、そしてアフリカへ 岡崎彰
バトゥク(Batuque/Batuko)・フナナ(Funana)・クドゥロ(Kuduro)・パッサパッサ(Passa Passa)
アフリカ〜カリブ、南米に出現したダンスの【腰使い】をメインに紹介している。抑圧〜奴隷〜女性〜とか解釈する前にキーワード参照してYOUTUBEでダンスを視るべし、という主張に従って視る。
系統立てて語る流れにコロンビア出身シャキーラの世界的ヒット曲「Hips Don't Lie」をつなげる処が凄い。三行先に予知夢を直で視た感じ。こういう対流する世界観にナンダカ痺れる。
パッサパッサは動画だけ見たけど、うーむ、わからないっ。
タリバンの気持ちが一瞬分かったりして。