報道の不快指数
- 作者: 佐藤卓己
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/06/20
- メディア: 新書
- 購入: 5人 クリック: 76回
- この商品を含むブログ (49件) を見る
23「ジャーナリズムの冷笑主義」で腑に落ちる文章に出会う。
普段から漠然と感じている気持ち悪い感覚を明快に説明してくれた。
ジョセフ・N・カペラ&キャスリーン・H・ジェイミソン「政治報道とシニシズム」(1997年)によれば、政治家のマキャベリズムや自己利益追求を政治解釈の前提とした報道は、
政治家ーメディアー大衆の三者間でお互いに不信感をぶつけ合う「冷笑の螺旋」を生みだすという。
今週始め首都圏の交通機関も警備の過剰が目立った国家的メディアイベント「G8」、マスコミのニュースだけだと不快なので、海外メディアや市民系ニュースサイトでサミット関連情報を検索しては、嫌々もがいた。
中曽根首相時代の東京サミットでも記憶に残るのは大袈裟な警備。天気予報で「ゲリラ豪雨」だの使っていたメディアミックス?と飛行船まで使った「ゲリラにちゅうい」キャンペーン。当時警備に当たった警察官が上層部に残業手当てをピンハネされて内部告発してウヤムヤにされた事件もあり。
今回の街で見かけたサミット警備中の警官を見るたび、勝手に不憫な境遇を想像して同情してしまう。
これも冷笑の罠か。