前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

コーヒー危機 作られる貧困

コーヒー危機―作られる貧困

コーヒー危機―作られる貧困

コーヒー生産農家、末端の労働者が働いて収穫した珈琲豆を売っても、肥料代すら払えず借金が増える現状。買い叩く現地の仲買人や輸出業者も手にする利益は少ない。先進国の有名企業が生豆を安く仕入れ、焙煎加工しブランドを付け高値で売っている業態を理詰めで紹介し、地元の協同組合と繋ぐフェアトレードなど解決策を提示しているブックレット。


いつからこんな酷い状態なのかと思ったら、国際コーヒー機関の国際コーヒー協定が守られなくなった1989年から市場の暴落が始まっている。ブラジルとベトナムの増産による市場への影響、企業の焙煎方法が向上して低品質な豆でもブレンド加工できる技術革新も価格低迷の要因。


原書は2002年に書かれている。世紀を跨いで2001年までのコーヒー市場暴落のデータを多く使用して解説されているので、当時は底値だったり今の現状との違いも多いと思う。主に工業用ランクで使われるロブスタ種の豆がブレンドを含めてこれほど流通しているとは知らなかった。米国でコーラなど清涼飲料水に使われるカフェインの消費量は、コーヒー消費量の倍だったのも驚き。
清涼飲料水を口にして原価が数円の液体と過剰な広告費を飲んでいる妙。



以前、BS世界のドキュメンタリーで視た作品のオリジナルが月末から上映されると知る。
映画『おいしいコーヒーの真実公式サイト●