前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

文化人類学ってなに

山口昌男の手紙 文化人類学者と編集者の四十年

山口昌男の手紙 文化人類学者と編集者の四十年

日本の偏狭なアカデミズムからは排除された男が海外では知識人に至極面白がられ、可愛がられ世界各地で知的居候を続ける。現地の書店で一度に10万円単位の買い物を続けては、原稿料をあてにしてつまらない論文を書いてやってもよい、とも受け取れるエアメールが著者である編集者へ送られている。それが途中から日本の文化人類学の権威になってしまうのだから、学術界はわからない。新しい学問だから可能だったのかなと。学界と出版界に生きるふたりの長年の友情と妄念を綴った不思議に面白い本。
山口昌男の著作自体は今まで何冊か手に取ったけど、教養が欠ける自分にはサッパリ読み込めない。素材は興味を惹くので残念。


一方で文化人類学への漠然とした疑いが湧く。これで学問なのか?専門分野を超えた縦横無尽な価値は認めるけど、民俗学フィールドワークに心理学の黒魔術的なイカガワシサと現代アートの訳がわからない批評を時流に合わせてチャンプルしたような知識人御用達『スイーツ』と言ったら暴言だろうか。この書き方自体が似非インテリの道化どすぇ。