ダーウィンの悪夢
先日、名画座でドキュメンタリー『ダーウィンの悪夢』を視た。画質にスクリーンの必然性は感じない。テレビ放映向けだと思う。話題になった作品でもあるのであらすじは割愛、自分としては最初から最後まで、巨大な中古輸送機イリューシンを操作してタンザニアのビクトリア湖から最大55トンの加工魚をヨーロッパに運ぶロシア人たちに勝手な肩入れをして観ていた。
製作者が一番撮りたかったラストの証言も、彼らの人の良さばかりが目だってしまい、むしろ親密を装った密着取材のやり方に観客として居心地の悪さを覚えた。
一部ではアフリカの貧困をヨーロッパ側の搾取の構造としてステレオタイプに撮っている、と批判もあるけど、それでは納まりきれない被写体ばかりなのは確か。ストリートチルドレン/浮浪児の食料をめぐる殴り合いや有機溶剤の中毒、生きる為に続ける10ドルの売春婦、戦争を切望している一晩1ドルの夜警など・・・、
- 作者: 西谷修
- 出版社/メーカー: せりか書房
- 発売日: 2006/08
- メディア: 単行本
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