廃娼運動から今
- 作者: 竹村民郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1982/09
- メディア: 新書
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娼妓救出のため廓に乗り込んで何度も大怪我をした伊藤富士雄大尉の後日談は考えさせられる。
林歌子はじめ人権運動や宗教団体などが、日本のシベリア・満州への出兵、植民化計画が進む国家体制に協力・取り込まれていく様は、他の書籍であまり省みられないのではないかと思う。
性病治療薬で儲けた有田音松が憂国の士を気取って広告宣伝に励み、大杉栄虐殺事件で捕まった甘粕大尉に取り入ろうとして失敗した話など、浮ついた世相がドブのように生臭く伝わる。
先日ラジオで戦場、紛争地を廻っているフリージャーナリストがインタビューで答えていた。
国内のヤクザ関係を地道に取材してる人の方がよっぽど危険で大変ですよ。
外国人女性を騙して入国させ軟禁して売春させてる現状を指すのかと思う。
追記 日本初のゲイ雑誌『薔薇族』編集長の伊藤文学氏が伊藤富士雄大尉の孫だと知って驚く。