前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

ぜんぶ悪魔

昔のテレビドキュメンタリー、すばらしい世界旅行 放送分を毎回二本づつ解説つきで放送している BS朝日 世界文化見聞録 牛山純一20世紀映像遺産から70年代に取材したメキシコ先住民のドキュメンタリー二本を視る。
祭りのなかでのキリスト教の混ざり方が面白い。悪魔はとても寛容だ。行儀はともかく。


タラウマラ高地族 大山脈を駆けるーメキシコー1973年制作
メキシコ北部シェラ・マドレ山脈の麓に住むタラウマラ族Tarahumara(RARAMURIとも)の収穫祭を取材したもの。荒涼とした各地からこの日のため400人が集まって競技や捧げ物をして年に一度肉を喰う。男性の競技で樫木を削ったテニスボール大の玉を足の甲で蹴りながら標高3千メートル級の高地を60キロも走る「ボラ」。女性は木の枝で小さな赤い輪をはじきながら10キロ走る「アリウエタ」
健脚で有名な民族らしい。
16世紀から侵入したスペイン人や混血メスティソに生活圏を山に追い立てられたという歴史から、外部との接触を嫌うとナレーションが入る。映像に映されたキリスト教会は内部も質素だった。太陽と月の神も同時に信仰しているという。


悪魔に変身する メキシコ秘境のコーラ族 1978年制作


上記と同じナジャリ地方にある人口2千人のヘスースマリア村に住むコーラ族の4月の聖週間での奇祭を取材したもの。宣教師の布教活動により普段は敬虔なキリスト教徒になっている若者から大人たちが、この祭りでは墨や泥を体中に塗り「悪魔」旧来の原始宗教の精霊に変身して隊列を組んで町を走り回り騒ぐ。家々を廻ってタバコを要求、軽い略奪、暴力?など無礼講の模様。カメラマンも3度被害に遭ったとか。火曜日から始り土曜の朝に川で身体を洗うまで続く。
木曜日にキリスト役の少年が付き添いと共に登場、悪魔にあざけり声を浴びながら、鬼ごっこのように追い回される。金曜の受難の日にキリストは悪魔達に捕らえられる、この後にどういう芝居で終わるのか気になった。