前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

ぼくの村は戦場だった。
ぼくの村は戦場だった 山本美香 著


毎日のニュースで報じられる【世界の紛争地】【内戦】という名称は漠然としている。
家族と暮らしている日常の中に、対立する武装勢力から略奪・暴行・誘拐・殺害され、隣人の民族と殺し合いの報復が繰り返されている場所。と言うべきなのか?
著者が世界各地の紛争地を取材、映像発信しているなかから、5つの地域での取材を活字として本に纏めたもの。


アフガニスタンチェチェン。旧ユーゴのコソボイラク中央アフリカウガンダ


冒頭のアフガン以外は、短い文章で構成されている。なにもこんなに世界各地の惨状を重ねなくても・・・と思う一方で、各章の冒頭に紛争地の簡潔な説明が付いているので、これをキッカケにその地域に関心を持って欲しいという著者の意図が伝わる。自分は視ていないけど地上波テレビ局でも放送されたレポートがいくつかあるそう。ラジオ出演で著者の報道活動を知る。


ウガンダ周辺で起きている武装勢力の子供狩りで使われている手法、誘拐する子どもを脅し自らの手で親を殺害させるのは、子どもから一気に兵士へ促成するためかと思ったら、後々家族の元に逃げ帰らない為だ、という単純な理由にも驚く。
TV放送の映像レポートだと、険しい眼つきの子どもの顔ばかり気になって、そんなところまで気がつかなかった。
タルコフスキーの映画『僕の村は戦場だった [DVD]』モノクロ画面から鋭い眼の少年を思い出す。