テレビCM崩壊
テレビCM崩壊 マス広告の終焉と動き始めたマーケティング2.0
- 作者: Joseph Jaffe,織田浩一
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2006/07/22
- メディア: 単行本
- クリック: 39回
- この商品を含むブログ (76件) を見る
テレビCM崩壊 (原題Life After The 30-Second Spot)
米国の広告界リーダーが2005年に出版した本の日本語翻訳版。業界向けな内容ではあるけど簡潔に読める本。
アメリカで繰り広げられている奇抜な広告キャンペーンに対して消費者達がとるアクティブな行動は、日本人に直接の参考にはならないような気がするけど、21世紀に入ってからのブロードバンド環境整備での生活の変化、ゲームのなかの広告。DVDレコーダーでのCM飛ばし問題など環境は同じ。具体例と細かいツッコミが入っていて興味深かった。文章だけだと今後のアイデア参考例はあまり感心するものが・・・
●7章 変貌する消費者を再考する から
【今日の消費者は情報通である】
ペプシとアップルiTunesのタイアップ・キャンペーンでボトルのフタ裏に当たりマークがあればiTunesから一曲無料でダウンロードできる企画は、開始数時間後にはネットで『30度の角度からボトルを光にあてると当たり外れがわかる』と情報が伝わって、店頭にははずれボトルばかり売れ残った という。
【今日の消費者は繋がっている】
日本でも香港でも人気だったクイズ$ミリオネラの米国オリジナル版番組で、回答者が答えられない場合に友人1人に電話で助言を求めることができる場面で、100%の回答率だった時のからくりは友人の横に共犯者がいてネットで回答を検索していたという。
(でも当時の検索はヒット率悪かった気がするけど・・・)
●8章 ブランディングを再考する。
【コミュニティ・ブランディング】
2004年カンヌ国際広告祭でサイバー・グランプリ賞を獲得したNECのwebサイトキャンペーン、Ecotonohaを紹介している。消費者からの環境問題の投稿で画面上に木を描いて、葉が100葉に達する度に、NECが地球環境と温暖化対策に本物の木を一本植えるキャンペーン。
(日本でも放送されている環境にやさしい企業のイメージCMよりも、参加型でコストが係らずに好いかも)
このほかに話題になった多数のテレビCMが紹介されている。経営難から立ち直ったバーガーキングの『なんでも言うことを聞く鶏(Subservient Chicken)』CMシリーズと、著者がアップルの伝説的CM『1984』に並ぶ名作CMと褒めているNIKEの大リーグRed Soxバージョン『Just do it』(60秒)は視てみたい。
動画リンク貼れって?
まだ引っ越してからweb動画に耐えうるネット環境じゃ無いから、自力で見つけてくれたまへ。