前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

マルクス二本立て

仕事帰りに池袋の新文芸座でクラシック映画特集、マルクス兄弟の映画二本立てを視る。夜の回での気になる観客数は座席数の約半分くらいで、客としては快適だけど拍子抜け。
随分と長いこと映画情報誌を読んでいないので、これらの作品が日本国内でどれくらいの頻度で上映されていたかどうか知らない。この客の入りは古典として飽きられているというよりは認知度が低すぎる事だと思う。


本日上映された作品は

マルクス兄弟 オペラは踊る』A NIGHT AT THE OPERA 1935年
マルクス 一番乗り』 A DAY AT THE RACES 1937年


前作の『我輩はカモである』からは2年おきの制作になっている。自分としては大好きな前作品も、一般的には不条理すぎて興行は失敗した反省を元に、映画会社をメトロに換えてストーリーものの中にマルクス兄弟のギャグを詰め込む作品になっている。


『オペラは踊る』では有能なコント作家を雇って、映画化の前に芝居として主要都市を巡業し、分単位の客の笑いの反応を探りながら、ギャグの細かい入れ替えと改良に努めたという。
そこで錬られた映画は大成功。確かに今観ても、たたみ掛けるようなギャグの過剰サービスを感じる。後にはなにも残らない類の健全な笑いではある。
ストーリーも社会的に困った境遇にいる若い男女を助ける、というオーソドックスなもの。
これが彼らの後半の作品の定番になっている。
美男美女の恋愛ドラマは邪魔でしかないけど、劇中にミュージカルシーンが入るのでチコと ハーポの得意な演奏が観れる。


マルクス 一番乗り』も前作の成功に沿ったベタなものでも、ミュージカルシーンでは貧民街での黒人たちとの競演が見物だった。