前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

国境を覗きに図們

konton2007-08-08

体調やや回復。2時間程度の移動なら大丈夫そうなので、図們(トゥメン)まで西へ戻る。20分間隔で20人乗りミニバスが出ているので至極便利。途中で公安警察が二人乗って来る。おかげで車は安全運転モードに。途中で起きていたトラック同士の事故の現場で降ろす、さいわい人身ではなかった。そこからは飛ばす。


午前10時過ぎ 1時間弱で鉄道駅横に到着。曇天で小雨が時折降る生憎な天気。北朝鮮国境を覗きに来ただけなので、人柄に合った天気だと思う。


駅から少しだけ東へ歩いた大きな旅店にする。外観は綺麗でも中は年期が入っている。入り口で調理油を手にした老婆に合う。上の階が受付だと言う。日本統治時代に子供だったはずの老人に会うと、どうにも萎縮してしまう。受付で髭を生やした細身の男性が応対。部屋に案内されるまで3階4階の広めな洗面所を通過、寝間着姿の若い女性が髪を洗ったり、若い男がパンツ一丁で遅い洗面などしている。宿というより下宿の雰囲気。


4階の角部屋個室が一泊20元(320円)、窓から街の一角が見える。
町の規模が小さいせいか、車の出す騒音も格段に少ないし、車道を渡ったりも楽。久しぶりに落ち着ける町。国境を分ける川岸へ駅前の通りからまっすぐ歩いてみると、意外なモノに囲まれてる事に気づく。



他の町でも見かけた個人商店の看板に王心凌の酸酸乳プリント版が、ここは異常に密集してる!

道を曲がってもまた目にする。たまたま歩いて見つけただけで15件以上。メーカー側が営業で回って作ったにしろ、小規模な町なのに同じ看板がこれだけ多いと店の個性が…


北朝鮮との国境の門では、団体客が門の上へ上がって見学している。警備兵の交代を手前で視て、軍区と書かれた手前から写真を撮ると、何千回としていると思う「写真厳禁」が兵士の口から出る。独り旅はどうにも弱い。



からかってる......???????


北朝鮮の町が見える川沿いを歩いたり、やる気のなさそな観光地と韓国人団体客の記念撮影など見てから町中へ引き返す。小雨が続く、途中の食堂で遅い昼飯。醤油ベースの漬け面5元、値段相応の味。


手持ちの人民元が減ってきたので銀行へ両替に行く。大きな街だと待ち時間が長い事もあるので、ここで早く済まそうと思ったら、意外に客が多くて両替も同じ窓口。北朝鮮国境の小さな町とはいえ、100元札を分厚い束で景気よくやりとりする銀行で、日本円の少額両替をする客も居ない(そりゃそうだ)、外人の両替申請書が無いらしく、かなり文書の処理に手こずって困らせてしまった。接客態度は好かったけど。


夜、スーパーでオレンジジュース1ℓなど買う。果汁100%ジュースはまだまだ割高。


この町で意外だったのがもうひとつ。AMラジオの受信局がノイズ入りながら多国籍。中国語局に朝鮮自治区朝鮮語(テレビは2局、民族枠があった。)、ソウルからKBS国際放送の日本語番組。そのほか日本から放送のプロ野球実況中継もあった。さらにロシア語のラジオ局を2局受信。


以前読んだ、延吉の朝鮮族の家庭に下宿していた方が書いた本に、[日本のラジオの深夜放送を聴く〜 ]という記述を思い出す。短波ならともかく、AMがここまで届くのは凄い。それだけ日本に近いということか…。
後日、さらに内陸の吉林でも日本のAM放送が途切れ途切れ聴けた。