前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

北安ベイアン行き

朝、旅店というかよそ様の部屋を追い出されるように出る。普通のホテルならチェックアウトが午前中いっぱいオッケーなところ、やや高めの宿泊所でも9時前からベッドメイクと部屋の掃除をするので旅人は落ち着けない。


ここからチチハルかハルピンに戻る予定が、このルートは鉄道のみで、途中の町に向かうバスの便が無かった。バスターミナルの電光掲示板が消えていてどこ方面にバスが出ているのかすら判らない。
切符売り場の服務員さんに訊いてみると、やはり列車で行けという。東の五大連池近くの北安ベイアン行きなら昼に出る。買った地図にはさらに東の伊春へ細い道路が続いている。北安から伊春へバスが出ているか判らないまま、北安まで向かうことにする。


昼まで荷物を担いだまま街を歩いたり、鉄道駅を見に行ったりして時間をつぶす。こういう時に待合室でW03-es日記を打てるのは便利。鉄道駅で時刻表を視てもハルピン行きはそう頻繁には無い。市内バスでバスターミナルまで戻って、北安行きバスに乗る。


長距離のわりにフロントガラスにヒビが入っている様なボロバス。席順が決まっているはずが、大漁としか表現できないほど客を乗せている。長距離なのに立ち客まで居た。掴まるところが無い開閉ドアの横の席に座ってしまう。荷物を抱いたままこのあと3時間も悪路が続いて体勢が辛かった。目の前で切符や客の乗り降りをさばく姉御の動きに感心もする。途中の街まで、だれも整備しないような凸凹の村道だった。こんな振り回されるバスに乗ったのは前回のチベット旅以来。途中の街からは舗装路で身体は楽、でも不安定な爆走ぶり。


5時間近く乗ってようやく終点。この路線を毎日往復する運転手と姉御とボロバスのハードワークを想う。


ごくろうさま。



北安バスターミナルは鉄道駅からも近かった。運輸局に似た服を着た旅店の呼び込みのおねえさんに惰性で付いて行く。鉄道駅正面向かって右の雑居ビルの半地下が招待所。ツインの部屋20元(300円)
しまった。テレビ壊れてた。上の小窓から路上の足音と光が入る。布団は臭わないけど、地下のせいか湿って感じる。


身体がかなり疲れている。街をほんの少し視て回って、真清食堂へ入る。細長い店内に関係者らしきオバサンばかり。メニューを視て頼んでも、また聞き取れない事を言ってくる。それは今材料を切らしてて、とか、こういうわけで一人分では作れない、とか。「外人なのでゆっくり話して」と頼むと随分親切になる…でも、これにしなよ。美味いから。と誘導されたり(無力だ)。皮が花のように広がった羊肉シュウマイと牛肉だしのスープ、10元で美味しくいただく。