前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

西旗と東旗......海拉尓

海拉尓 ハイラル鉄道駅

朝に宿を出て、ゆったりしたバスターミナルからミニバスでモンゴル国境沿いに南へ下る。


座席は狭いけどようやく窓が開くバスに乗れた。思えば前回のバス旅はこんなバスばかりだった。今回は窓の開かないエアコンバスばかり乗っている。長距離を快適に走るし禁煙とか乗客マナーは好いけど、やっぱり閉塞感を感じる。



大型車がギリですれちがう狭い舗装路を、軽くバウンドしながらバスは飛ばす。走り出して地区が変わったあたりで、検問があった。前から順に身分証明書の提示を求められる。中国にはまだ一部に外国人未解放地区がある。これは各地の旅行許可書が要る。でも現場で検問をする係が外国人パスポートとビザの意味が解らない事も多い。今回は相手がめんどくさいような引き下がり方で済む。


この後に乗った路線でも、車内に乗り込んで黙視だけの検問もあった。


草原を越え西旗という名の街へ着く。113キロくらいを2時間半。街の規模は思ったほど大きくない。昼飯を食ってから、このまま東の街、東旗経由で300キロ先の地方都市、海拉尓ハイラルへ戻る事にする。


今回もエアコンバス。西旗から東旗への路は、波のように動く羊の群に阻まれること数回。馬の時もあった。周りに草原以外は何も見えない所から、モンゴル族の一家が乗ってくる。最初に乗ってきた子供は8歳くらいの女の子で見事に日に焼けている。次に恰幅好いお婆さん。細身の嫁さん。


途中の東旗で降りた乗客は10名ほど。4時間ほどでハイラルに着く。なんだかんだで今日も長時間バスに乗ってただけ。バスターミナルを降りると、宿の呼び込みは普通の主婦っぽい人だった。一泊10元というのでまた壁が薄いとこかと想像しながら付いて行く。ターミナルの向かいにある団地の中庭から迷路のように進む。普通の家庭が暮らす団地の一室を改造した処だった。窓付き2ベッドの部屋でひとりなら20元とのこと。泊まることにする。


部屋には白いタイル、広めのキッチンと食事場所を個室に改造したと推察。こっちの窓側に流し台とガスコンロがあるけど、泊まり客がドアを閉めたら調理はどうしてるんだろ??あ~電気調理器を使ってました。居候とホームスティの気持ちが同時に味わえるナイスな宿。

それにしても、やりくり主婦さんの室内装飾はセンス抜群で感心。カーテンを閉めるとクマさんイラスト。枕カバーもシーツもラブリー過剰。
壁がしっかり厚くて静か。おかげで久々に熟睡する。

夕食は回民の真清食堂で食う。店のテレビでアジアカップの韓国イラン戦を視ながら。