前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

「夏の夜の獏」
昭和63年ASUKA7月号、大島弓子の漫画。
アスカ・コミックス「つるばらつるばら」で読んだ。
書影は同名の白泉社文庫ISBN:4592883594
アンテナ「カルアミルク」で知る限りタイトル作品が人気です。
90年「恋はニュートンのリンゴ」も収録。79年「たそがれは逢魔が時間」とネガポジの関係かな?


この作品を絶賛するわけは、推定精神年齢を漫画で描き通していること。
無論、83年「金髪の草原」(映画化もされてしまったうへえ)に
呆け老人の主人公が、自分が思い込んでる「青年」としてひとり描かれてる。


しかし「夏の夜の獏」は主役の小学生(立派な青年の姿)の眼を通してみた、
社会の精神年齢デフォルメ空間なのだ。
仕事に疲れたパパ、ママは子どもに、
痴呆のお爺さんは赤ん坊に、
大学生の兄はやんちゃな子供に、
担任の女性教師は幼稚園児くらいに描かれる。


痛快に感じるのは、子供時代のせのび感覚を見事に再現してくれている事。
親や、担任が自分より幼く思える事もあった。無論錯覚ですが〜。
代表作「綿の国星」のちび猫は自分が人間だと思っている通りに描かれている。
猫耳ドレス擬人化の原型かと思う。21世紀に恐るべき猫耳インフレになる訳だが…


心鏡をデフォルメする漫画家なのだろう。ネーム(セリフ)の切れ味も凄い。

鳥獣戯画→ディズニーアニメ→手塚治虫大島弓子→?などと騙ってみた。


より好い批評をお教えください。