前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

「ビースト・オブ・ノーネーション」


東京国際映画祭2015 作品 新宿ピカデリーで鑑賞。
Netflix製作で映画作品という珍しさも。会場は2回目の上映だったせいか客数は少なかったけど、今年観た映画ベスト1は確実にこれ。ネット配給会社が作ったドラマと侮ってたら、予算と人間が充分に投入されて、しかも容赦無いリアルな描写が残像に残った。


西アフリカを舞台に主人公の少年(子ども)が政府軍に家族を殺され、逃げた先でゲリラ軍に生け捕りに、見習い兵士として必死に生き残っていく、目の前で命乞いをする民間人をナタで殺す事によって、鎖の切れた獣の様になっていくさま。戦禍の元で仲間ストライカーとの絆、上官への愛憎。


町を襲った先での虐殺シーンは、確実にトラウマになるだろう。
反政府ゲリラの指揮官との面談で、ビジネスマン風の東洋人が先に通されていくところなど、より現実世界に近い作り込みを感じる。本来なら救われるはずのラストの境遇も、社会復帰プログラムの困難さを描き出している。


南スーダンへ海外派兵を組まれてしまってる自衛隊が、地元の少年兵ゲリラたちと交戦に巻き込まれない様に願わずにはいられない。犠牲者が出てしまってからでは報復の流れは止められない。