リヴァイアサン

渋谷シアターイメージフォーラムで上映中のハーバード大学 感覚民俗学誌ラボ 選集「ハント・ザ・ワールド」で上映中の4作品のひとつ「リヴァイアサン」

Leviathan リヴァイアサン 旧約聖書に出てくる渦巻き状の海獣

夜のトロール船の低音ノイズ、雨の様な飛沫は止まない。乗組員の視点で波間の闇を見ている、重たそうに機械で網を巻き取ると甲板に大量の魚が放たれる、ナイフやホースで淡々と魚を捌くガタイのいい男たち、木製の仕切り板はまるでギロチンの様にべっとり血が染みこんでいる。船は血を含んだ海水を吐き出す。

水面スレスレを、浅い海中を、釣竿のようなものに防水カメラ（Go Pro）を付けて乱暴に振り回して遊んでいる感じ、波の上に出ると空には異常な数の飢えたカモメが待ち構えてる。斜めった甲板では目が飛び出している瀕死の魚が揺れてはぶつかり合う。アングルの接写は地獄絵図のよう。

映像はもとよりノイズの臨場感が観客の五感を刺激してくる。現場の強烈な臭気が記録されていないのは救いだと思った。