原発事故と被曝労働/除染労働
被ばく労働を考えるネットワーク
http://www.hibakurodo.net
最初に話を聴きに行った去年7月の文京区民センターでの報告会から、
今年1月はスペースたんぽぽでの「被ばく労働問題連続講座」第一回
なすびさんの講演分。
https://www.youtube.com/watch?v=pTziKJog3h4
かろうじて動いている(当時)放射線核種除去装置のALPSはフィルターの吸着剤にセシウムなど各放射能物質が「濃縮」されて、線量が上がってしまう。人力頼りのフィルター交換も当然被ばくする。
冷却用プールからの燃料棒取り出しは、人が近づかずに済むようでいて、実際は引き上げたあと濡れたキャスク表面を作業員が直にウェスで拭き取る工程がある。高線量。
日頃から福一のニュースをチェックしているつもりでいても、基本的なことが理解できていなかったことを痛感させられた、現場の作業は想像以上に深刻なことを知る。これでも内容の一部だろうけど。
汚染水タンクからは遮蔽出来ないX線が出ているという話も。計画されている凍土壁工事でも作業員はかなり大量の被ばくをする。
福一周辺を綺麗に除染して戻すというのは無理。「元に戻す」ために多くの作業員が更に被曝することになる。どこまでやるか・やらないかを決めるべき。
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第二回の学習会、今月は除染作業現場からAさんの報告から
除染作業は初めに講習を受けるも、テキストは回収されてしまう。現場で作業の間違いが確認できない。高圧洗浄機ハイウォッシャーで屋根瓦にかけるのは飛散させるだけなので間違い。ウェスで手拭き。タバコ一箱吸うのは70ミリシーベルト浴びるよりも危険、などと書かれている。現場では放射能に対して危険という感覚が麻痺する。
除染作業をされていたAさんが、国から出ている危険手当をピンハネされていた事を知って、雇い主と団体交渉へ勝ち取るまでの経緯を語る。危険手当を払う代りに日当を福島県の最低賃金にまで下げ、宿泊代や弁当代を引くという、つじつま合わせが除染業界で横行している。
数ヶ月の除染作業でも原発作業のベテランよりもホールボディカウンター検査で内部被曝の数値が高かったとのこと。除染作業員の多くが放射線管理手帳をもらっていない。
最後に、マスクを外している除染作業員を見かけたとしても、無知だと思わないで欲しいと、何時間も息苦しいマスクをして作業している事を想像して欲しいとのこと。除染労働者の被ばく問題は未だマイナーなので、自分や自分の周囲の仲間や友人、家族が、もし福島の除染作業に行く事になったら・・・と自らの問題として引きつける想像が出来るかどうかということ。
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なすびさんによるAさんの労働環境の捕捉。
除染作業のロードマップは2011年10月頃の一ヶ月で急造された。
安全面を考慮して装備や休憩の規則が細かく決められている電離則(電離放射線障害防止規則)ガイドラインは現場では無理な事が多い。
講演中に最新ニュースとして、居住制限、避難指示解除準備両区域での作業の危険手当10,000円から6,600円へ切り下げはじまる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140415-00010008-minyu-l07