前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

老人ホームを飛びだして

東京国際映画祭2012で夕刻から上映の回で観た。「老人ホームを飛びだして」Full Circle [ 飞越老人院 ]
第25回東京国際映画祭 | 老人ホームを飛びだして




*日本語字幕つき予告動画が見つからずあいすいません。


予告編では重苦しい作品の様に思えるけど、前編を通してストーリー展開の早い、コメディ要素がふんだんに入っている作品だった。
内モンゴルでのロケとか大枠の舞台などムリがあるストーリーだとは思うけど、細かいプロットにリアリティが感じられて、ラスト近くのテレビ出演でのインタビューシーンには不意を突かれ涙腺決壊してしまった。
老人ホーム施設長の美人女優さん、かわいいヘルパーさんたち、娯楽映画として目の保養になるけどストーリーへの感情移入には邪魔になるなぁと思いつつ、老人たち側から見る世界観なのだと思えばムリがない。老人たちの顔に刻まれた深いシワや佇まいは黙っていても絵になる、その反面で若者たちの肌はきらきら光って見える。老人たちの願いを聞き入れようとしない「意固地」な子どもたちも然り。


ホームで希望なく暮らす老人たちは、主人公の提案で遠く青島のテレビ「仮装大賞」に出場すべく、反対する施設長に見つからないようネタを練習して、現役時代に乗っていたという中古の路線バスで脱出する。エンドロールを見たら途中で荒野が広がるシーンは内モンゴル東端の赤峰市周辺らしい、ジープに乗った労務者たちとの対決シーンは昔の西部劇っぽい。全編通して昔の人情ドラマの様な仕掛けが入っているので、国内外の観客が楽しめる作品だと思う。