前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

圓生とパンダが死んだ日

今週、上野動物園のパンダが生まれて死んだとニュースを聴いて、この主要ニュース扱いへの狂気の底に懐かしさを覚えた・・・理由を思い出したので。
圓生とパンダが死んだ日」矢野誠一
約15年分の各紙に掲載された芸人たちへの短いコラムをまとめた本。

円生とパンダが死んだ日

円生とパンダが死んだ日

1979年に突然亡くなった昭和の名人三遊亭圓生、同じ日に上野動物園のパンダのカンカンが死んで、翌日の新聞ではパンダの死が一面で、圓生の死亡記事は小さかったというエピソードは、落語ファンにとってはよく知られているし、弟子や若手落語家たちが面白おかしく悲しく高座で話しているので、聴く側としてはスッカリ慣れてしまっている。


著者の矢野誠一氏は落語関連で数多くの書籍を出している演芸評論家なのは知っていても、復活した女剣劇と共に地方のドサ回りをしている程、日本の演劇界の中にも居たひとだとは知らなかった。


有名無名の芸人を紹介するコラムの中で、意外だったのは林家彦六正蔵)の清廉潔白すぎる性格。出演前にギャラの値段を訊かず、1日に3箇所から頼まれた時だけ先に値段を訊いて、一番安いギャラの仕事を受けたという。一番高い所は自分が行かなくても誰かが行くから、という理由で。