前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

中国低層訪談録 〜インタビュー どん底の世界

NHK ETV特集の予告で廖亦武(リャオ・イーウ)を取材した番組「亡命詩人の憂鬱〜23年目の天安門事件が放送される、
http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2012/0603.html
と知って、著書「中国低層訪談録 〜インタビューどん底の世界」を読み返し中。

中国低層訪談録―インタビューどん底の世界

中国低層訪談録―インタビューどん底の世界

著者を含めると32名のインタビューが収録されている2段組の厚い本。中国大陸の様々な低層に生きる人達に付けられた「肩書き」だけ目を通して絶対に面白いと確信。


浮浪児、出稼ぎ労働者、乞食の大将、麻薬中毒者、迷信で隔離される(ハンセン病)、不法越境者、同性愛者、女遊び(買春客)、三陪(売春婦)、新々人類、人買い、辺境守備開拓団女性兵士の息子、トイレ番、死化粧師、楽師兼泣き男、老地主、老右派、老紅衛兵、「厳打」からの辛存者、立ち退きを命ぜられる(成都の老女)、”米援”蒋介石の派遣したスパイ、胡風の囚人仲間、法輪功修行者、地下カトリック教徒、百歳の和尚、チベット巡礼者、破産した企業家、冤罪の農民、”上訪”詩人(陳情代理人)、反戦反革命分子、「六・四天安門事件反革命分子、


当然ながら著者の強い印象と脚色で現実との違いは多少あるとは思うけど、話下手な日本人から見ると、大陸の底辺で暮らす誰もが弁が立つ芸人の様な錯覚に陥る。それくらい人間臭くて面白い。これまで感じていた数々の疑問の答えも見つけられた。
翻訳者の方が各人の生の声が伝わるように工夫さていることもあって、リズム良く読みやすい。