前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

福島原発の真実 佐藤栄佐久

福島原発の真実 (平凡社新書)

福島原発の真実 (平凡社新書)

冤罪事件で辞任した元福島県知事の語る「福島原発」事故が起こるまで。
はじめにプルサーマルありきの旧通産官僚と、事故隠しの常連だった東京電力。県のトップとして何度も停止と点検を要請、御用学者ではない専門家から内部告発まで県が聴き取り、信用出来ない中央の原子力行政と長く交渉していた経緯が語られている。


原子力委員会との意見交換の席で
(P133)核燃料サイクルの目的とは、「溜まっているプルトニウムを始末したい」ということなのだとはっきり悟った。


影響力の強い大手メディアに県の主張を発信してもらうのは始めから諦めていたようだ。
強い抗議は、交付金目当ての怒りのパフォーマンスとかガス抜きとかに置き換えられてしまう。
事実、冤罪で辞任したその後にメディア側の訂正は今もない。


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本書にも原発は「トイレのないマンション」という喩えで語られているけど、深刻な原発事故以降から自分には喩えがダメダメな気がしてならない。
無論、核廃棄物の処理方法が確立されていない事を分り易く置き換えてる意図は分かる、しかし「トイレ」なんて簡単に作れるモノにすり替えたら危険性が消されてしまう。


3.11以前の世間に伝わらなかった反原発のスローガンは見直すべき。他の運動と連動されても多くの脱原発賛同者は困惑する。