越境するポピュラーカルチャー リコウランからタッキーまで
越境するポピュラーカルチャー―リコウランからタッキーまで (青弓社ライブラリー)
- 作者: 谷川建司,呉咏梅,王向華
- 出版社/メーカー: 青弓社
- 発売日: 2009/07/01
- メディア: 単行本
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特に関心を持った章への雑記。
第二章 日本文化の輸入が禁止されていた70年代の韓国に2万店あった「漫画房」で読まれていた、日本の少女漫画コピー本の人気と、韓国オリジナル作家の出現。
第三章 中国本土で放送された日本のTVドラマから模倣作品、そして韓流独占の時代へ、そしてまた日本のドラマ人気が復活か、という事情。「渡る世間は鬼ばかり」が人気というのも驚き。それだけ庶民の悩みは共通という事か。全球化 やな渡世だな。
第五章 日本占領下に翻訳された韓国流行歌とメロディーの変遷でのトロット形式。戦後もしばらく国産レコードが作れず日本からの輸入を止められなかった中での、美空ひばり人気。フランク永井は名前を似せた歌手まで登場していた。
第七章で語られる香港で放送された日本のTVドラマの小歴史も意外に面白い。Gメン75が放送されてたのも驚き。大丈夫か?香港ロケの回って悪の巣窟みたいな描き方だった記憶がっ。
社会学に時折見られる、研究対象を「ものがたり」誘導する章もいくつか。モッタイナイ。