前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

越境するポピュラーカルチャー リコウランからタッキーまで

越境するポピュラーカルチャー―リコウランからタッキーまで (青弓社ライブラリー)

越境するポピュラーカルチャー―リコウランからタッキーまで (青弓社ライブラリー)

東アジア圏で日本の流行歌・映画・TVドラマ・アイドル・漫画が各国でどのように伝搬し、社会現象〜局所的に影響を与えているかを個々に考察した共著。副題にある通り対象ごとに戦前から21世紀の最近までと語られる時間軸は広い。


特に関心を持った章への雑記。


第二章 日本文化の輸入が禁止されていた70年代の韓国に2万店あった「漫画房」で読まれていた、日本の少女漫画コピー本の人気と、韓国オリジナル作家の出現。


第三章 中国本土で放送された日本のTVドラマから模倣作品、そして韓流独占の時代へ、そしてまた日本のドラマ人気が復活か、という事情。「渡る世間は鬼ばかり」が人気というのも驚き。それだけ庶民の悩みは共通という事か。全球化 やな渡世だな。


第五章 日本占領下に翻訳された韓国流行歌とメロディーの変遷でのトロット形式。戦後もしばらく国産レコードが作れず日本からの輸入を止められなかった中での、美空ひばり人気。フランク永井は名前を似せた歌手まで登場していた。

 
第七章で語られる香港で放送された日本のTVドラマの小歴史も意外に面白い。Gメン75が放送されてたのも驚き。大丈夫か?香港ロケの回って悪の巣窟みたいな描き方だった記憶がっ。




社会学に時折見られる、研究対象を「ものがたり」誘導する章もいくつか。モッタイナイ。