三國連太郎 沖浦和光「芸能と差別」の深層
- 作者: 沖浦和光
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/08
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「芸能と差別」の深層―三国連太郎・沖浦和光対談 (ちくま文庫)
- 作者: 三国連太郎,沖浦和光
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/05
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4章以降は日本列島と周辺の芸能民の歴史と「差別」の両輪の関係について、異様に深い対談が進む。俳優としか認識がなかった三國連太郎は、長くこれら芸能と差別される側の歴史を、膨大な文献で読み解いている人なのだ。
P228で沖浦氏が語られる、日本には結果取り入れられなかった孟子の易姓革命論 禅譲か放伐か、も興味深いが、この本のタイトルの答としてはP242 「なぜ芸能民は〈賤〉とされたのか」に韓非の「農本主義」が提示されている。大雑把に言うと支配階級と定住農民以外の職種は雑業として扱われ、国の害悪であるとまでいう身分制度。
これは一握りの階層のための帝王学だし、今の価値観に捕らわれれいるせいかピンとこない。大衆が芸能者に惹かれる一方で、愛憎込みの妬み?出生やら私生活を勝手に詮索して蔑むという理由にはならないので。むしろ安定志向が過ぎて遊民を血祭りしたい願望、なんてドーでしょう。