終身刑の死角/日本の殺人
- 作者: 河合幹雄
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2009/09/05
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やはり秀逸なのは、死刑廃止のフランスでは警官が現場で容疑者を背中から射殺しているようなケース、移民との相互不信の社会に言及して、死刑廃止=先進国ではない法制度はそのまま日本のお手本にならない事を主張しているところ。
加害者の反省と社会復帰よりも、メディアに晒され憔悴する被害者遺族のケアにこそより配慮すべき、にも強く同意。
- 作者: 河合幹雄
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/06/01
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こちらの方が先に出版されて、注目されている模様。
日本国内での殺人事件をカテゴリー分けして、時代と共に変わる殺人事件の状況を統計を使って紹介。嬰児殺し〜、酒飲み悪友とケンカの変化にまで言及。ただ活字となると著者の話術が伝わらないかな?と、内容にも途中で何度もツッコミ入れたくなり。昔読んだ犯罪心理学の大雑把な推論が目立つ。様々なケースがあるとはいえ被害者遺族への言及が厳しいのは意外。
狭義の理屈は分かるが、82年日航機逆噴射事件を大量殺人のカテゴリーに入れるのは??日本赤軍のリンチ殺人は兎も角、海外のテルアビブ乱射事件も他の殺人件数と同列で比較するのは??
メディアスクラムは確かに醜悪だが、過去の冤罪事件をマスコミの性急な解決追求のせいにするは同意できない。
取調べの可視化について、録画に反対する理由もあまりに刑事側に寄り過ぎている。ざんねん。