ウイグルの母 ラビア・カーディル自伝
ウイグルの母 ラビア・カーディル自伝 中国に一番憎まれている女性
- 作者: ラビアカーディル,アレクサンドラカヴェーリウス,水谷尚子,熊河浩
- 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
- 発売日: 2009/10/15
- メディア: 単行本
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として自身が半生を語るインタビューのダイジェスト版が載っていた。
本書では彼女と家族の歴史を、中国の中で知られていないウイグル現代史と共に語られている。
自治区とは名ばかりの漢人支配と人口流入、ウイグル族の生活苦と政治弾圧。
学校での中国愛国教育、産児制限での強制中絶、病院での新生児殺しや、政治犯への拷問と収容所での人間以下の扱いの記述は詳細で生々しい。
全体的には活動家というよりもウイグル人同胞を助ける起業家としての活躍も伴っているので、悲惨な民族問題としての重苦しさからは多少救われている。
著者も語っているけど、チベット問題の国際的関心に比べるとウイグルへ向けられる関心は小さ過ぎる。ダライ・ラマのようなシンボルの不在、イスラム教徒への偏見も手伝ってか。