前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

ヤノマミ

ヤノマミ

ヤノマミ

初版発売から遅れて購入し読む。すでに多くの人が紹介しているので今更だけれど。
ドキュメンタリーのナレーションで「ヤノマミ それは人間という意味だ。」シンプルなコピーが秀逸だったせいもあってか、見落としていた様々な疑問。それらの説明が、製作者の文章で補填されていく「読み込み」になった。


意識的にこちら社会の視点や価値観を入れないよう回避していたような映像と比べて、文章表現は当然強い主観が伴なう。ヤノマミとナプ、これも呪術・差別的な説明だったものが、本書ではヤノマミひとりひとりの家族関係から近隣に住むヤノマミ〜遠方のヤノマミとの相関関係が書かれている。長老たちVS若者、土地開発問題なども。
現地で体験したむき出しの無邪気な残虐性、著者が激しく衝撃を受けた光景は当然放送されていない。それでよかったと思う。何もかも娯楽に変えてしまうこちら側の残虐性を自覚しつつ。